日本ホビー協会 会報誌『ホビークラフト通信』拡大版
日本ホビーショー 出展者インタビュー
一般社団法人 日本ホビー協会では、会報誌『ホビークラフト通信』Vo.6(4月1日発行)にて、「日本ホビーショー」出展者さんにインタビューを実施いたしました。
このコーナーでは、誌面の都合上、カットした部分も含めて、拡大版でご紹介します。
Avenue LUXE出展者に聞く!①
石川金網株式会社 『おりあみ/ORIAMI®』

<出展ブース紹介>
出展名 | 石川金網(株) |
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URL | http://ishikawa-kanaami.com/kanaamiorigami/ |
出展ゾーン | Avenue LUXE ブースNo.A-21 |
石川金網(株)が提案する『おりあみ/ORIAMI®』は、布のようなしなやかな感触の日本伝統折り紙を活かした半永久的に観賞できる金網の折り紙です。『おりあみ/ORIAMI®』を使った作品の展示・販売も行いますので、A-21ブースにてORIAMIの素敵な世界をご覧ください。
※折り紙アーティスト 宮本眞理子氏指導によるワークショップを3日間開催致します。この機会に『おりあみ/ORIAMI®』の素晴らしさを体験してください! 皆様のご参加をお待ちしています。
日本文化と熟練職人の技が融合した『おりあみ/ORIAMI®』の可能性
今も昔も子どもの遊びであり、大人もふと無心になって遊んでしまう、日本人の意識に深く浸透しているハンドメイド「折り紙」。一方、世界では一枚の紙からさまざまな造形を生み出す特異なアートとして評価されています。そんな「折り紙」の世界に、「金網」というまったく異なる素材が融合して生まれた『おりあみ/ORIAMI®』とは、どんな素材なのでしょうか? 石川金網(株)の石川幸男社長にお話をうかがいました。
石川金網(株)が出展する「Avenue LUXE」とは?
- 職人の遊び心が生んだアート素材
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布のようなしなやかさと紙のような張り。そして布にも紙にもない独特のサラリとした肌触り……。
そんな今までにない“折り紙”を実現したのは、高い技術によって生み出された紙のように薄い「金網」でした。『おりあみ/ORIAMI®』と名付けられたこの製品を生み出したのは、1922年の創業以来、東京の下町で90年以上にわたって金網の製造・販売を手掛けてきた石川金網株式会社です。金網を使った文具やホビー商品を検討する中で、「折り紙」に目を向けるきっかけとなったのは、工業用フィルターなどに用いられていた極薄で目の細かい金網。その素材を使って、職人が遊び心から作った金網の折り鶴が始まりでした。
「たまたまそれを見た人が口々に『これはイイね!』『面白い』と言ってくださり、予想外に好評でした。しかも『自分でも折ってみたい!』という人が多いことに驚きました」と語るのは、同社の石川幸男社長です。
硬く鋭い金網を自在に折れるのは職人の技があってこそ。
折り紙アーティスト・宮本眞理子氏の技術指導を受けながら、さまざまな作品を紹介するとともに、折り紙の普及活動を行なう一般社団法人 日本折紙協会の監修のもと、子どもからお年寄りまで安全・安心に楽しめるよう改良を加え、2015年12月に商品として発売を開始。金網の特性を知り尽くした職人技によって、日本の伝統である折り紙の文化を受け継ぐ新たなアート素材『おりあみ/ORIAMI®』が誕生しました。
しかし、「自分で折ってみたい」という要望に応えるべく素材を検討し、試行錯誤の末に誰にでも折りやすい金網の折り紙を開発しました。さっそく地元の産業展に作品とともに展示し、モニター販売を実施したところ、大人はもちろん、普段は折り紙をしない子どもたちにも大好評! 石川社長は商品化に向けた確かな手ごたえを感じたそうです。 - 創造力を刺激する無限の可能性『おりあみ/ORIAMI®』を体験しよう!
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実際に『おりあみ/ORIAMI®』を折ってみると、金属とは思えないほどの軽さ!
そして驚くような薄さの金網は、通常の折り紙に比べて折り目やカーブがつけやすく、完成後はしっかりと作品の形状を保ってくれます。「この製品の楽しさや特徴を知ってもらうには、直接手に取って遊んでもらうのが一番」と語る石川社長。今回、日本ホビーショーへの出展を決めたのも、ワークショップに力を入れたイベントであり、多くの来場者にこの画期的な商品を体験してもらえると考えたからです。
近くで見るからこそわかる金網ならではの透過性は美しく、そして原料の丹(たん)銅(どう)(銅と亜鉛の合金)に由来するシックな色合いの金色は作品に上品な華やかさを添えてくれます。繊細な印象がありつつも金属としての耐久性があり、水や湿気にも強い。そのためアクセサリーとして身に着けたり、インテリアとして永く保管できることも特徴です(さらに同社では、経年劣化を防ぐため市販の保護スプレーや透明ケースのを利用を推奨しています)。
「ブースでは、さまざまな作品をご用意するつもりですが、Avenue LUXEに出展するからには、ただ並べるだけではなく『おりあみ/ORIAMI®』を手に取った人の創作意欲を刺激するような内容にしたいですね」と石川社長。
金属ながら、ハサミで切ったり、接着したり、ミシンで縫い合わせることもできる。素材としてはシンプルですが、この多彩な特徴を活かしてどのような作品に仕上げるか、手に取った人のインスピレーションによって可能性は無限に広がります。現在発売されている色は「Bronze(丹銅)」のみですが、金属の素材によって銀色、赤銅色なども試作されており、今後は赤や青にカラーコーティングした製品も商品化予定。すでに『おりあみ/ORIAMI®』の楽しさを体験した人たちから「披露宴やパーティ会場のデコレーションに使えそう」「バッグにしても素敵!」など、さまざまなアイディアが寄せられています。
「より多くの人に楽しんでもらえるように、各地でおりあみ教室の開催も進めていきたいですね」と石川社長。東京都が推進する、さまざまな東京の魅力を世界に発信するプロジェクト「東京ブランド」にも登録し、下町の技術力が生み出した新しいホビーとして、国内外へ向けたさらなる発展が期待されます。